富山県砺波市の山間地で平成20年12月に県道の欠損と河川の閉塞を伴う地すべり災害が発生し
た。地すべり規模は,幅60m,長さ50m,崩壊土量は約20,000?程度である。しかし,地すべり斜
面頭部を横断していた県道を巻込み,末端部では河川が閉塞した。その後の降雨により対岸斜面
が侵食され,新たな地すべり発生の危険性が生じた。筆者は,この地すべり災害発生当初から周
辺の地形地質踏査を行うと共に,ボーリング調査や移動計測等に従事してきた。ここではその結
果に基づいて,地すべりの発生機構,特に頭部に形成された陥没帯について考察すると共に,周
辺への影響や今後の課題について報告した。 |